• 「穫」生産者のご紹介

女性が頼れる、冬瓜です。

女性たちの育てた野菜が直販所へ


左:中司さん 右:大谷さん

南国市の平野部は、それこそ古代の昔から農業が盛んな地域です。JAの直販所「かざぐるま市」といえば、女性スタッフが運営し、生産者もみんな女性という、女性が元気な高知らしい仕組みで知られます。今回は、数少ない冬瓜生産者で、かざぐるま市からほど近い岩村地区の中倉さん宅を訪ねました。若い後継者がシシトウ作りをがんばっているので、澄恵さんはご近所の仲間と多品種の野菜を育て、毎日のように市へ出すのを生きがいにしています。

案内してくださったのは、かざぐるま市の担当スタッフ、大谷律子さんと、南国スタイルの中司力さんです。冬瓜は、南国スタイルさんが、かざぐるま市から華珍園まで、新鮮なままリレーしてくださっています。

お腹にも美容にも、冬瓜パワー


白い粉を吹いています。これは冬瓜が太陽の紫外線から身を守るための分泌成分。お店で見る緑色の冬瓜は、この粉と表面のトゲを洗い落としてあるもの。トゲは強いので素手で触らないように。

さて、冬瓜のこと。名前を聞くと多くの女性が、笑顔になります。昔から食べられてきた野菜ではありますが、高知県内では生産者さんが自家消費用に少し作るぐらいで、大規模な産地ではないため、とても珍しく感じるからではないでしょうか。珍しくて体によい野菜は、女性たちの目を輝かせます。ちょうど夏の終わりの、野菜の端境期に収穫される緑色のずっしりと重いラグビー型の冬瓜に、癒やされてしまう不思議。それもそのはず、冬瓜には夏の疲れを癒やす成分がたっぷり。利尿作用でむくみを予防したり、夏に疲れた胃腸をやさしくケアするから、秋口にたくさん食べたい低カロリーの野菜。お肌に良さそうなビタミンCが多く含まれているのも特長です。

代々、種を採って蒔いてきた

中倉さんは自家用に冬瓜をずっと栽培し続けてきました。実から種を採って次の季節に蒔く、自家採種です。収穫は8月の途中から11月いっぱいぐらいまで。冬瓜は料理店でもないと、1個まるごと使うのが大変ですが、切り分けて冷凍すれば長もち。中倉さんの畑には家庭でもまるごと使いやすいミニ冬瓜も植えていました。


葉っぱの内側で休憩中のアオガエル。いっぱい虫を食べてね!


雨よけのスチロール板が座布団のように敷かれています。どっしりしたお尻のような冬瓜。

露地の畑で蜂が受粉して実ができます。1本の株から3~4個が収穫できるとのこと。緑の大きな葉っぱや、カボチャに似た黄色い花の陰で、埋もれるように冬瓜の大きな実が横たわっています。少し立ち上げるように支えて、雨の泥はねが掛からないようにしているのは、病気を防ぐためだそう。すぐそばを舟入川が流れ、水音が心地よい畑です。


畑なみの鮮度で提供したい


煮た冬瓜の食感は大根に似ていますが、淡泊でクセがありません。「これが本当に、煮ても炒めても、他の食材とよく合います。」と厨房スタッフ。「冬瓜には味がないけど、味が入りやすい。火を通しすぎず、食感を残すメニューを選びました」。体を冷やす作用があるので、温める食材である海老と組み合わせる伝統的な食べ方も、理に叶っているのです。

生産者の中倉さんは昔ながらの食べ方で、海老とあっさり煮たり、食感を残した酢味噌和えにもしているそう。「でも自分が作るより、ご近所が作って届けてくれることが多いんですよ」。ご近所づきあい健在です。家庭では油揚げと一緒にお味噌汁の具にするなど、簡単にたっぷり食べてみてはいかがでしょう


地元小学校の給食にも野菜を


収穫している露地のナス畑、猛暑の夏を乗り切りました。

中倉さんの畑には、年間を通じていろんな野菜が実ります。ニンジン、オクラ、ナス、ネギにさつま芋など。さつま芋は珍しい安納芋に、紅あずまも。ニンジン畑はちょうど引き上げたところで、ふかふかの土が、次に種蒔きをする野菜のために準備されていました。甘いと評判の中倉さんのニンジンは、南国スタイルさんを通じて、食育に早くから取り組んでいる南国市内の全小学校で給食のカレーなどに使われています。

取材を通じて実感したのは、長年がんばってきた生産者が、若い人たちにメインの作物を任せて、楽しみながらできることの広がりです。自分の野菜が売れる手ごたえを感じながら、次はあれを作ろうと種を蒔く時の気持ちを、想像しました。


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【問い合わせ先】
(株)南国スタイル
(JA南国市出資農業生産法人)
〒783-0036 南国市福船372
TEL 088-855-3179