• blog ~水平思考~

土佐のおきゃく〜Vol.2〜

前回に続きまして「土佐のおきゃく2011」について振り返ります。
当時は地域の食材を少しずつメニューに取り入れるようになり、少しずつですが生産者の方とも知り合うことができていました。過疎地域で地域特産のタケノコを守るみなさん、県外出身で宇佐町という漁業の町の活性化に取り組むみなさん、障害者施設で利用者の所得の向上に奮闘するみなさん、そして今は他界されましたがニッチな中国野菜を高知県独自品種にまで育てられた方……、表現は適切ではないですがまだまだその存在をしられていない皆さんです。一方当時は「龍馬伝」の効果で空前?の高知ブーム、高知の特産物や野菜、そして生産者の方の紹介がよくメディアに流れていました。


2011年のテーマ:ひとり光る みんな光る
今回はシェフではなく北九州で美容室を経営するバグジーの久保 華図八さんの講演、食事会という企画を考えました。
バグジーという美容室は業界では非常に有名な会社で業界を超えて注目されており、代表の久保さんは自社の経営はもちろん、全国を駆け巡り講演や業界発展の活動をされ、そして従業員とお客様、そして地域が幸せになる経営を実践されています。ひとにぎりのカリスマ美容師だけではなくひとりひとり(特に新人さん)が光り輝くお店づくりです。休日も少なく、長時間の労働で専門職…、業種は違えど似ているところがあるな。約5年前に高知ではじめて久保さんの講演を聞いたときには相当な衝撃であり、高知で異業種があつまる勉強会でもよくバグジーさんのことは事例にあがっていました。
私がはじめて久保さんのお話を聞いた時の衝撃をひとりでも多くの人に感じていただきたく、そして昨年は中華料理業界でしたが、今回は異業種で共に学びお世話になったみなさんに喜んでいただきたく思い、昨年同様だめもとで企画しました。もし無理なら、おきゃくの参加はお断りさせてもらう、目的がなくただ著名人を招待することは不毛と考えていましたので。



今回はひとり光る みんな光るのタイトルのもと料理、サービス・司会など全て今回は100%自前です。それぞれが日頃から担当しているポジションをシミュレーションし、いくどとなく調理場・ホールとミーティングを重ね、本番突入。

そしてもうひとつ。何とかして実現したかったことが、生産者のみなさんの光です。ひとこと挨拶というレベルではなく4組のみなさんに大型のスクリーンで活動の内容をプレゼンテーションしていただきました。正直お断りされるかな?とも覚悟していたのですが、みなさん快く受けていただきました。
ちなみに右の写真のタケノコ農家の中司さん、100人以上の前で発表するなんて人生初体験とおっしゃっていましたが、少々お酒も入っておりびっくりする位堂々とイキイキと過疎の現状と問題、そして自分たちの取組をご発表されていました。
そしてみなさんに「このような機会にこんなに多くのみなさんの前で自分たちの活動を発表できたこと」を心から感謝いただきました。みなさんこれまでに見たことのないようなイキイキと充実感みなぎる最高の笑顔、本当に嬉しかったことを今でもはっきりと憶えています。


猛然と調理するみんな。


タケノコ掘りの名人 中司さん

あらためて思いました。生産規模の大小や生産高の大小、年齢、地域、キャリア、…などなど全く関係ない。みなさん誇りをもって自分たちの想いを表現したいという気持ちがいっぱいです。それは生産者のみなさんに限ったことではなくスタッフ全員も同じこと。そしてひとりでも多くの生産者のみなさん、スタッフや中華業界のみんな、日々の活動をご紹介させてもらいたいな〜と思い、ホームページ開設を決めました。これからもコツコツと更新してゆきたいです。
そして「土佐のおきゃく」ですが2年間お休みしたので来年はそろそろ新しいテーマのもと企画したいと考えています。あくまでテーマありきで望みます。

最後の写真ですが、宴席が終わったあと久保さんが調理場に飛んできて調理スタッフひとりひとりに感謝の声をかけられている様子です。みんなの表情が最高!そしてそのまま全員で2次会直行のすばらしい夜でした!