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安藤忠雄節

安藤忠雄氏が語る「地方都市の生き残りをかけて〜中心市街地活性化」
確か数ヶ月前の「情熱大陸」で見た上海の巨大オペラハウスのや表参道ヒルズ、水の教会などなど今さら説明するまでもないですが、その安藤氏が来高し地方都市や中心市街地の話をされるということで「正直ほんまかいな?」という気持ちもありつつ講演会に行ってきました。



到着するとなんとびっくり!
たくさんの高校生や大学生、専門学校生などで会場は埋めつくされており想像とは別世界。もちろん一般の方もたくさんいましたが、イマイチ状況が把握できないまま、ある種異様な空気の中開演。

開演の挨拶で主催者側より「政治の力がないと何も実現できないのです…」と突然のアナウンス。
安藤さんの公演前に「政策と予算」という講演があったみたいなので、その流れなのかな?と思いつつ「何だそれ? こんなにたくさんの学生さんの前で…政治の力?」と正直呆気にとられました…。なんか日の丸の旗もあるし……
大丈夫かな?と思っていると、プロレスの入場曲の様なものが流れながらの安藤さんが登壇されました。


大阪と高知は似てますね〜というはいりから、坂本龍馬、ジョン万次郎、上海のオペラハウスや東京オリンピック、東日本大震災やその後の遺児育英基金、東京大学入学式の挨拶の話などなど沢山のエピソードを交えながらのお話。非常に分かりやすく、楽しく、説得力のある内容でした。以下印象的に残ったフレーズを書きますと…。

  • 高知(土佐)は自由な精神の土地のはずだが…?
  • いつまで坂本龍馬と鯨にたよっていくのか?
  • 地方再生は現実的に相当難しい…
  • はりまや橋などは絶望的…
  • 身の丈にあった建築(このホール=かるぽーとも高知に本当に必要なのか?デカすぎやろ?)
  • 日本の建築の職人・大工は世界一。しかし社会的に大切にしてこなかったから現在職人というものがいない。技術・文化を守っていく者の所得や待遇が低いのでは?

このように書いてしまうと過激な内容と思ってしまいますが、その背景には「ビジョン」「理想」「夢」「好奇心」「高知だけにしかないもの」「自立心」「感動」「自分の力で」「自分で考えて」「自分の責任で」「自分の心で」といったことが不可欠だというメッセージがすべてに散りばめられており非常に納得のいくものでした。
そして最後には「何をして生きるのか?ビジョンを持ち、生きることに欲を出そう!」というメッセージ。

中心市街地活性化などについては特に具体的に触れることはありませんでしたが、「私たちはそろそろ◯◯◯◯ないといけないのでは…」「〇〇は絶望的…」という2つのフレーズを巧みに組み合わせた技術、というか関西リズム。
歯に衣着せぬ少々過激な内容と笑いに引き込まれたあっという間の90分でした。